2012年2月19日日曜日

読書日記「仮想世界錬金術 モバイルソーシャルアプリに見る現代ディジタルコンテンツ革命」

今、破竹の勢いでビジネスが拡大しているモバイルソーシャルゲームについて勉強してみたいと思って読んでみました。僕もモバイルソーシャルゲームは「破壊的イノベーション」の典型例だと思っていて、最近はとても注目しています。グリーやDeNAの好調な業績が世間を驚かせていますが、国内のソーシャルゲーム市場は2012年度には3400億円を突破すると予想されているようです。(矢野経済研究所:ソーシャルゲーム市場に関する調査結果2011より)また、同時に海外市場への進出も急速に進めています。本書ではソーシャルゲームビジネスがいかに拡大してきたか、ソーシャルゲームの基本原理、またそのマーケットについてを実例に基づいて説明しています。

僕が一番面白いと感じたのは、モバイルソーシャルゲームはひたすらEnterを押し続けるような単純なゲームに見えながらも、裏側では以下のような技術やノウハウが凝縮された、かなり高度なサービスだということです。
  • 限られた機能、コンテンツ、UIでいかにユーザを楽しませるか(ゲームニクス理論、エクスペクトロジー、時間の使わせ方など)
  • どうユーザ間のコミュニケーションを楽しませるか
  • データマイニングに基づくチューニング
  • フレームワークを利用した少人数、短期間での開発
  • クラウドサービスや並列処理を利用した負荷分散

個人的には、これからゲームビジネスはどんどんパッケージ型から課金型へビシネスモデルが変換していくと予測しています。据え置き型のゲームも初期の価格設定を低く抑えて、コンテンツやアイテムなどで課金していくのが主流になっていく気がします。正直、僕自身がモバイルソーシャルゲーム(怪盗ロワイヤルとかドリランド)をやった限りでは、システムが単調すぎてのめり込むほど面白いとは思えなかったんだけれども、おそらく今後はスマートフォン向けの新しいゲームがどんどん出てきて、もっとリッチなコンテンツを求めるユーザ層も獲得していくだろうと思っています。メインフレームがオープン系のワークステーションに置き換えていったようにね。海外進出もどんどん進められているようなので、日本のIT企業が海外の市場でどれだけ戦えるのか楽しみですね。

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