2011年10月10日月曜日

某CTOと面談

最近、知り合いの紹介でとあるインターネット企業のCTOと面談をさせて頂く機会を得ることが出来ました。Web上で保険などの商品を比較や購入できるようなサービスを提供している、技術部門は20人程度の中規模な会社です。会社の業務内容や環境について分かりやすく教えていただくことができ、とても有意義な面談でした。

会社の環境としては、今僕が働いている環境とは正反対のようでした。簡単に言うと自由で自分でなんでもやる。開発環境にソフトウェアをインストールするような権限すらない僕とは反対で、root権限があるのは当然でハードウェアの設置まで自分たちでしてしまったりするそうです。一週間以上前にリクエストを上げて上司の承認を得て計画通りにリリースしなければならない僕とは違い、一日に複数回リリースをしてしまうこともあるそうです。仕事内容もある程度自分の興味に応じて決められるようです。お会いした方は研修や海外展開のためにかなり頻繁に海外出張をされているようで羨ましい限りでした。

話をして一番面白いと思ったことは、ある特定のユーザー行動に関するデータが全く違うビジネスに使える可能性があるという事です。例えば、引越しをした人に光ファイバーなどのインターネットの勧誘をかけると成立する確率が高いそうです。後から考えると確かに関連がありそうに思えますが、このような仮説と検証を繰り返して、まだ他社が全く気づいていないルールを発見でれば、他社に先んじて一気に収益を上げられるような可能性もあります。ユーザのトラフィックは多いのに、その解析が十分にできていないような企業ではそのポテンシャルがとても高いだろうと思います。

余談ですが、僕の働いている投資銀行業界も他社が気づいていないようなルールや、マーケットの歪みを見つけ出して収益を上げるという歴史だったみたいですよね(って昔以下の本で読みました)。黒木亮さんの本はすべて読んでいますが、若干小難しいですが、ストーリーはエキサイティングだし、国際金融を理解するのにとても良いので興味のある方は是非読んでみてください。



ウイークポイントとしては、技術的な面を強みとはできていない点でしょうか。Webページも商品を紹介する程度に留まっていて、UIなどにもイマイチ統一感がないように感じます。SPSSなどの分析ツールを導入しようなどと試みているようですが、統計をある程度理解している人材がいないようで、まだ活用しきれていないそうです。

トップレベルのエンジニアがひしめくGoogleやMicrosoftのような大企業で末端のエンジニアとして働くのか、このような比較的小規模な会社で大きな権限をもって働くのか、どちらがやりがいのある仕事かって判断が難しいところですよね。自分以上の能力を持った人達に囲まれて仕事をしたいという気も強いし、自分で人を動かして新しいビジネスを作るような仕事がしたいとも思いますから。今の会社に入ってからは前者の立場で仕事をしていて、このままで良いのか疑問を持っているわけですが。